01.「赤ト黒」(少年ニーアの話)
序盤は貧しいながらもほのぼの兄妹ストーリー。ニーアが薬草摘んだり、ヨナも病気がちながら買い物に行ったりしているのでまだそこそこ元気
だがヨナが黒文病にかかった事で状況が一変。病気を抑える為に高価な薬が必要となったため、始めは両親が残していた貯金を崩していたが、それも底をつく
今までのお使いの駄賃では薬代を賄うのも間に合わなくなったため、ニーアは海岸の街で男に身体を売る事で金を稼ぐ事に
なんとか金を稼ぐ事に成功し、ヨナの病状も少し回復はしたものの、ニーアの精神状態は疲弊していく
海岸の街で男に強いられた事を思い出してしまうため、髪の毛が他人や自分に触れる事を避け、きっちりと結い上げるようになる
辛い日々が続く中、ニーアはポポルからマモノ退治の依頼を初めて受ける。弱いマモノとはいえ危険な仕事だが、報酬は売春行為の比にならない程高い
都合の良い仕事が来た事と、ポポルの様子を見て、ニーアは双子に売春行為の事を知られている事に気付く
自分の行いを蔑む事無く、それどころか仕事を斡旋して来てくれたデボルとポポルに感謝しつつ、ニーアはマモノ退治に出かけた
マモノ退治を請け負った4人の内の1人は、海岸の街でニーアを買っている男だった。後の2人に危険だからと帰る事を強要されていたが、
男の口添えのおかげで職を失わずに済んだ事と、男に耳元で囁かれ、結っていた髪を解かれた事の屈辱に、ニーアは震えを抑える事が出来なかった
その後現れたマモノの数はニーア達の予想を越えるものだった。無我夢中でマモノを倒しながらも、ニーアはマモノと人間に似通った所があるのに気付く
自分の存在にも気付かず楽しそうにマモノを倒している例の男の姿を見つけ、ニーアは先刻まで自分も同じ顔をしていたのだろうと考えた
本当の化け物はマモノなのか、それとも自分達の方か?戦闘に無我夢中になっていたニーアには、その区別はつかなくなっていた
襲い来るマモノを全て倒した後、残っていたのは海岸の男を除いた3人だった。
・「海岸の男は死んだ」という記述がある為、ニーアが殺人を犯した事が分かる
・ゲーム本編中の要素がそこかしこにみられる。チューリップの球根が海岸の街にしか売って無かったり、畑の作物が枯れてたり
02.「魔ノ山」(ロボット山の兄弟の話)
母親がロボット山にいつも通り金属を拾いに行くと見せかけ、二人の息子に黙って夜逃げをする所から始まる。
二日目の夜、兄はこっそりと母の部屋を調べた。薄々感づいてはいたが、ろくに物が残っていない引きだしの中を見て、兄は母が戻って来ない事を確信する
三日目になると、母が素材を持ち帰らない為に売り物が無くなってきた。食料の蓄えも数日分しかない為、兄は焦りを覚える
それと同時に、弟を守らなければならないという責任が、兄自身の支えにもなっていく
四日目、弟がロボット山に行く為に家を抜け出してしまう。ロボット山が母親と夜逃げ相手の男との逢い引きの場だと知っていた兄は、
弟がその現場を目撃してしまう事を恐れて必死で後を追う。やっとの思いで見つけた弟は、素材を抱えていた
母親を探しに行ったのではなく、兄の助けになると考えて素材を拾い集めていた。兄は安堵よりも怒りを覚え、弟を怒鳴りつけてしまう
五日目には再び弟が母親を恋しがるようになった。今までずっと面倒を見て来た自分よりも母親を求める弟を見て、兄は苛立つ
ロボット山にまた行きたがる弟の好奇心を抑える為に、兄は父の死因がロボットのせいであるという嘘(本当は知らない)や、
山のロボットがいかに危険な存在であるかを誇張して教えた。怖がってしがみついてくる弟に、兄は安堵する
六日目、兄は家中の扉や窓を閉め、北平原に続く道を扉で、山に続く道を木箱で塞いだ。弟が外に出てしまう心配は無くなったものの、
扉に錠を掛けてしまうという事は、そのまま店に来る客をも入って来なくなる事を意味する。収入源が無くなる事による食料の枯渇を予想した兄は
自らの手足を切って弟に与える事すら想像したが、弟が寝ている間にその足を包丁で切り落とし、どこにも行けない身体にする事を思いつく
弟の足が無くなれば、家や店の出入り口を塞ぐ必要もなくなる。包丁を振り下ろした兄だったが、その直前で兄を呼ぶ弟の寝言を聞き、我に返った
自分がしようとした事に恐怖を覚えた兄は包丁を平原に投げ、扉の錠を外し、ロボット山を塞いだ木箱をどかした
七日目、食料も殆ど無くなり、売り物に至っては一つも残って居なかった。困り果てた兄の耳が、二つの声を捉える
母が去ってから初めての来客だった
・こちらもゲーム本編でのネタが多数ある。扉とか木箱に吹いた。確かにあるわww
・弟が兄の死をロボットのせいだと勘違いしていたのは兄の嘘を信じ込んでいた為だと思われる。Pちゃんカワイソス…
・弟の病気っぷりが凄いと思ってましたが、実はお兄さんもなかなかのツワモノでした
03.「魔女ノ夜宴」(カイネの話)
人格者の女性視点の為、小説中は全て敬語です(小説に順処してここは敬語で)。